嫌なことは嫌々やる

嫌なことは嫌々やる

非常事態宣言は解除されましたが、なんだかまた雲行きが怪しくなってきましたね。皆様も、リモートワークから出社になったりと、慌ただしくまた不安定な時期を過ごされていると思います。場合によっては久しぶりの出勤がとても億劫に感じられることもあるのではないでしょうか。

 森田療法的な考えから、私がこういう時によくコメントさせていただくのは、「嫌なことは、嫌々やる」というアドバイスです。森田療法ではよく、「気分は気分。気分本位の生活はしないこと」などと言います。世の中、やらなくてはいけない嫌なことはたくさんありますし、それを「嫌だからやらない」と言っていたら始まりませんからね。
ただ、多くの方々が、「やるからには気合を入れて、身を入れてやらねばならない」と思いすぎてないでしょうか?そしてその考えがまた「もう少し気が乗るまで、手をつけるのを伸ばそう」という悪循環を助長してしまうことさえあります。

そういう時は、「いつまでたっても嫌なことは嫌に決まってるのだから、手をつけてしまおう。ただし、やりながらどんな気持ちでいるかは自分の勝手だし、思いっきり嫌々やってやればいいんだ」などど思うと、結構サッと手をつけることができると思います。
時には、そういうふうに嫌々始めたのにもかかわらず、だんだん乗ってきて、仕事を終える頃にすっかり気分がよくなっていることさえあるかもしれません。

私は実はコンピューターの操作が嫌いです。でも、今年はコロナの影響で、例年させていただいている大学院の講義が突然オンラインになってしまったのです。そのため仕方なく、それこそ嫌々ながら、zoomの操作を覚えて、なんとか講義させていただいています。


こんなふうにパワポを使っているのですが、なんとか分かりやすいスライドを作ろうと悪戦苦闘している間に、だんだん面白みも感じてきたから不思議です。オンライン上での学生さんとのやりとりにも良い点があることも分かってきました。

最近では、せっかくzoomを覚えたのだから、それを利用して今後オンラインでのご相談などもやらせていただこうか、などとも考えが膨らみます。いわゆる「災い転じて福となす」というやつですね。嫌なことを嫌々やったおかげで道が開けることもある、という例だと思います。よく「ピンチはチャンス」などども言いますしね。

今は本当に先が読めない状況ですね。こういう、何があるかわからない時こそ、嫌なことも嫌々サッと手をつけていき、ピンチをチャンスに変えていくべきなのかもしれません。