PMS(月経前症候群)

PMS(月経前症候群)

月経周期と関連して生じる体調不良には個人差がありますが、日常生活に支障をきたすほどの重い症状は「月経前症候群」あるいは「月経前緊張症」と呼ばれます。 気分の面で見られる具体的な症状として「ゆううつ」「集中力低下」「不安」「疲労感」 「不眠あるいは過眠」などが挙げられますが、もっとも問題となるのは「イライラ」「怒りやすさ」でしょう。 そのために対人関係にも支障が生じてしまう場合も多いようです。月経前にだけ、ひどく夫や子ども、あるいは職場の部下にきつくあたってしまう、と悩んで来院される方もいます。月経前症候群の原因はいまだ不明で、その治療法も、これまでは婦人科でホルモン治療などが行われているだけでした。しかし最近になって、この病気も脳内伝達物質の1つであるセロトニンの機能障害と関連しており、SSRIが治療上有効だということがわかってきました。欧米では、かなり以前からこのSSRIが用いられていたため、月経前症候群の治療にも精神科医が積極的に関わってきました。 わが国でも最近では、メンタルクリニックでこの病気の治療を行うようになってきていますし、実際に、当クリニックでもSSRIがとても有効だった患者さんが多数いらっしゃいます。