この写真は夏の始まり頃に新聞に載ったものです。

この写真は夏の始まり頃に新聞に載ったものです。

この写真は夏の始まり頃に新聞に載ったものです。

この写真は夏の始まり頃に新聞に載ったものです。『算術の少年しのび泣けり夏』、これは、少年が(算数ができないといって泣くのではなく)、算数の宿題があるから外に遊びに行けないと言って泣く、という句なのだそうです。
微笑ましいですよね、昔は、夏というと、それだけでワクワクして、外に駆け出したくなるような日があったものです。
今年は、暑い日は酷暑で、そうでなければ雨が降り、清々しい夏の日、というのがほとんどなかったような気がします。
いつのまにか夏休みも終わってしまいましたが、日本中の子供達は夏休みの宿題を出せたのでしょうか。

さて、この句は、西東三鬼という俳人の作った句です。時々このブログに俳句のことをアップさせていただいておりますが、私は俳句が結構好きです。
そればかりか、精神衛生上、とても良い効果があるだろうな、とさえ考えています。
例えば、不安障害(神経症)の方には、意識を自分に向けるのではなく、外界に向けるのが有効なのですが、ただ「興味を外に向けなさい」と言っても、すぐにそう変えられるはずもありません。それよりは、俳句のように、外界にあるものをよく観察して、その印象を掴み取って作品にまとめるような趣味を行うと、自然に、意識が外に向くようになってくるのです。

俳句というと、古臭く何やら抹香臭いもの、と思われる方が多いと思いますが、この、西東三鬼という俳人のつくる句は斬新で今の感覚からみてもあまり古臭くないように感じます。
ご興味があれば、写真の朝日文庫の本がオススメです!
俳句は素晴らしいですし、おまけに、巻末には神戸にあった怪しいホテルでの破天荒な生活ぶりを書いたエッセイが載っていて、これがまた素晴らしいのです。
東京の人間はほとんど皆、なんとなく神戸がカッコいい街、というイメージを持っている者は多いと思うのですが、わたしに取って、神戸のカッコいいイメージは、村上春樹と、このエッセイによって決定的に植え付けられました。