漱石と森田療法

漱石と森田療法

皆さま、夏休みはどうされましたか? あいにくの台風でしたね。私は一泊だけ修善寺のホテルに愛犬を連れて泊まり、


あとは自宅でのんびりしていました。修善寺に行って初めて知ったのですが、夏目漱石は明治43年、修善寺で静養中に胃潰瘍から大吐血し、一時危篤になったそうですね。
その時に泊まった旅館はまだあり、見学してきました。美しい中庭のある、ステキな旅館でした。


その頃のことは、この随筆に書かれています。


あまり漱石って読んだことがなかったのですが、なんというか知的すぎると言うか、考えすぎというか……ですよね。思わず「そこまで考えなくても」とか、「これだけ考えすぎてれば、それは胃潰瘍を悪くするよなー」と言いたくなります。まあ、そもそも漱石は自らを「神経衰弱」と認識しており、高名な精神科医からも精神科的診断をつけられた方ではあるのですが。


インターネット上では、「漱石は森田療法を受ければ良かったのに」などとの意見もみられ、もっともだと思います。森田療法は、知的に偏りすぎる方に対して「それよりも活動して、それによって自分が健康的になることを体感しよう!」と促す治療法であるからです。
とはいえ、森田先生がその治療法を確立するのは、漱石の死後なのですが…(しかし、森田と漱石は接点が多く、旧制高校時代、森田は漱石の授業を受けています)。


私は東京に帰ってから雨の合間を縫って、こんなとこに行ってました。


西武線沿線にお住まいの方はご存知でしょうか、「オザキフラワーパーク」です! おそらく23区内では最大の園芸品店でしょう。広大な敷地の中に園芸に関するありとあらゆるものが並べられています。観葉植物のコーナーなど、ちょっとした植物園のようです。


私はモミジの木を買って、猫の額ほどの庭に植えてみました。


庭で植物を育てると、木の剪定、肥料やり、草取りetc.と次から次へと仕事が生じます。面倒くさいのですが、実はこれが健康に良いのです。嫌なことに嫌々手をつけていって、だんだんと気持ちが乗ってきて、知らない内に、あっというまに時間がたってしまう……。まさに、これが森田療法的生活態度ですよね。
漱石も、書斎にばかりこもっていないで、日常的に庭いじりでもする習慣があったなら、胃潰瘍がそれほど悪くならなかったかも、とも思います