夏を涼しく

夏を涼しく

いったん涼しくなったと思ったらまた暑さがぶり返してきましたね。こんな時には気分だけでも良いので、生活に涼しげなものを取り入れたいですね。
例えばこんな、水辺の植物はいかがでしょう?

クリニックのメダカの泳ぐ鉢に浮かせた「ホテイアオイ」の花です。よく、金魚のいる鉢や池に浮いている、あの目立たない水草ですね。でもあの水草は、状況さえ適していれば、こんな綺麗な花を咲かせる植物なのです。当院のベランダでも滅多に咲かないのですが、たまに咲くと、ベランダに一気に涼しげな気配が漂います。


あとは工夫できるところとしてはBGMですかねー。私は毎年暑くなってくると衣替えのようにCD棚をいじって配置を変えます(若い方はCDを聞かないのでわからないでしょうねー。私は未だにCDを聴いているアナログな人間でして…)。秋冬は好んで弦楽器やサックスのCDを聞くので、それらを手前に置くのですが、なぜかそれらは夏は暑苦しく感じて聞かなくなります。その代わりに手前に並べるのは断然ピアノのCDです。ピアノの音って涼しげな感じがしませんか?
例えばこんなのです。


ビルエヴァンスです。とてもちゃんとしたジャズですが、ビルエヴァンスの音楽はいつもどこかクールで、暑苦しくないですよね。
あと、もう一人良くも悪くもクールなピアニストを挙げるとするとやはりグレングールドでしょうか。

これは、グールドがシベリウスの曲を弾いているCDで、最初の音が鳴り始めた瞬間から、部屋に北欧の冷たい風が吹き抜けるような感じになってくるほどです!


以上、涼しくしていく工夫をいくつか述べましたが、とはいえ結局は日本の夏は冷房をうまく使わないと乗り越えられませんよね。小児科の先生も、赤ちゃんの寝る部屋でさえ、夜中じゅう冷房を切らないことを薦めています。

痩せ我慢をしたり、暑いのに「暑くないと思い込もう」としても無理に決まっていますし、熱中症になってしまうのがオチですよね。

私がよく引用する森田正馬先生はこんなことを言っています。「夏は暑く、冬は寒い。これは如何ともし難い」。
当たり前のことですが…。これは実は不安に対する対処を比喩的に言っていもいるのです。
暑さも不安も、思い込みで無くすことはできないので、暑い時は暑いなりに、不安がある時は不安があるままに、いやいやながらでも目の前のことをしなければならない、という教えなんですよね。
皆さま、なんとか健康に気をつけて、涼しくなるのを待ちましょう