モーツァルトとADHDについて - 飯田橋メンタルクリニックブログ

モーツァルトとADHDについて

当院は5月に転居しました。私はようやく新しい場所に慣れてきましたが、来院されている方はいかがでしょうか?

インテリアも含め、なるべく以前のクリニックと変わらないようにしたつもりなのですが、いかがでしょう?


お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、唯一変えたのはBGMです。

開院以来、当院ではバロック音楽を流しており、それなりにご好評をいただいていたのですが、転院を機に「モーツァルト」にしました。私は最近、モーツァルトが大好きなのです。

旧クリニックから自宅へと持ち帰ったCDも、ほとんど処分したのですが、モーツァルトのCDは捨てることはできませんでした。




私が最近モーツァルトが好きな理由は、自分の年齢なども関係しているかもしれません。

血気盛んな若い方でモーツァルトが好きな方ってあまりいませんし、ある音楽評論家は、「モーツァルト弾かせるなら子供か年寄りに限る」とも述べています。

有名なこんなアルバムもありますね。


この時、バイオリニストは14歳だったらしいです。
またある高名なビアニストは、年を重ねて初めてモーツァルトのアルバムを出す時に「ようやく私にモーツァルトを弾く時が訪れました」と述べてました。

(ここからはセンシティブな表現が含まれます!)

 
ところで、私の若い時のテレビCMにこんなのがありました。有名な学者さん?が出て、「モーツァルトはいつ聴いても邪魔にならない。研究している時でもそうだし、それこそ女の子のお尻を撫でている時だって邪魔にならない」と解説するのです。

当時ですら、私は「そんな発言をテレビCMで流して良いのだろうか?」と首をかしげたものですが、今だったらけんけん囂々でしょうね……

とはいえ、実際、モーツァルトの音楽は、どのような方の、どのような精神活動にも邪魔をしない音楽ではあるのではないでしょうか

 

まあ、それはさておき、皆様、モーツァルトはADHDであったのをご存知ですか?今ではそれはすっかり定説になっています。

興味深いのは、「モーツァルトは自分がADHDであって極度に飽き性だった。それで、飽き性の自分が決して飽きないような音楽を作ろうと突き詰めていき、それであれだけ素晴らしい革新的な音楽を作った」という説があることですね。

それは神経発達症の方あるあるでして、自分のことを「〜障害」と思いすぎず、自分の特性をとことん突き詰めていくことによって大きな成功を収めることってありますよね

私も、神経発達症の方の特性を活かせるようなサポートができないかと常日頃考えております。

当院では治験(最新の治療をご提供して、その有効性を確かめていくことです)をやっているのですが、今度、ADHDの方を対象とした治験を始めます。ご興味のある方は、ぜひお気軽に院長にお尋ねいただけると幸いです。