生活の発見会にお邪魔しました

生活の発見会にお邪魔しました

先日、浅草にある「生活の発見会」の本部にお邪魔してきました。

この会が毎月出されている雑誌があるのですが、

その新年号に載る記事のために意見交換をさせていただいたのです


皆さま、この会はご存知でしょうか? 森田療法によって良くなられた先輩方が、悩まれている後輩を援助しようという、いわゆる自助グループの1つです。
 全国に「集談会」という支部があり、そこに皆で集まって、森田療法を勉強したり、
また、先輩方が悩まれている方にアドバイスなどをされている、とても良い会です。

精神医療においては、この「同じお悩みを持つ方同士が集まって、お互いに支え合う」という趣旨の、自助グループが、とても有効だと言われています。

私もよく、当院に来られる方に生活の発見会に参加するようにお勧めしています。
行かれた方はまず必ず「自分の悩みは自分だけしかわからないのではないかと思っていたが、多くの人が同じようなことで悩んでいることにビックリしたし、安心した」とおっしゃいます。
そういった安心が得られることが自助グループのメリットの1つですが、もう一つ大きなメリットがあります。
自助グループで出会う先輩方も皆、同じ悩みを抱えているわけです。でも側からみれば、たいていは全くそんなふうには見えず、元気に各領域で活躍されています。ですので今は悩みの最中にいる方も「自分でも、ああいうふうに元気になれるのかも」と、希望が持てるわけです。
 私が浅草の本部にお邪魔した時も、対応していただいた方皆様(なんと、撮影していただいたプロのカメラマンの方も!)が会員でした。つまり、なんらかの症状にかつて悩まれ、あるいは今もある程度悩まれているはずです。しかし、皆様そんなご様子は微塵も感じさせない、お元気で、健康度も高そうな方々でした。

皆さまの中で、特に社交不安症、パニック症、強迫症などでお困りの方は、ぜひ生活の発見会に行かれることをお勧めします。具体的には、日本全国にある集談会にまず見学に行かれても良いし(連絡先は私がお教えしますし、生活の発見会のホームページをご覧になっても良いでしょう)、浅草の本部などでやられている、「初心者懇談会」に行かれても良いでしょう。初心者懇談会では、「発見会は初めて」という方に、ベテランの会員の方が優しく丁寧にアドバイスなどをしてくれます。

当日お話しさせていただいた内容はまた、おいおいこのブログにあげてゆきます。今回は、とりあえず、この素晴らしい会を皆様にご紹介させていただきますね。

本部のある浅草という所がまた良いところです! 久しぶりに行きましたが、趣のある素敵な街でした。私は対談終了後、街並みを見ながら散歩し、前から見たかった建築(松濤美術館を設計した白井晟一の作品です)を見学し、

乾いた喉を浅草で1番伝統のあるバーで潤してから帰りました。

私は、こういうふうに何かの機会をみつけては(例えばお呼ばれして浅草まで伺った場合などに)、そのついでにあれこれと、その前後に楽しいことを盛り込んで、一日をより充実させることを心がけています。自分では、これもある意味森田療法を生かした生活態度だと思っています。
森田療法では、よく「腰軽に、サッと動くこと」を薦めますし、私もよく「いつも動いている生活」をお勧めしていますし。

ただ、そういった生活をすると、荷物が多くなることが玉に瑕なのですが…。この日も意見交換会なのにもかかわらず、カバンの中にはスケッチ用具があったり、カメラがあったりと、パンパンでした。ちなみに、その日カバンに入れておいたのは、こんなカメラです。

最近のデジカメに、アダプターで、1956年製の古いレンズを取り付けたものです。こうすると独特の雰囲気のある写真が撮れるのです。こんなふうに古い物と最新式の物を組み合わせると、思わぬ良い物ができることがあります。
森田療法は100年の歴史を持つ伝統的な治療法ですが、今後も新しいものを取り入れながら、ますます発展していくことと思われます。