うつ病と適応障害の違いについて②

うつ病と適応障害の違いについて②

うつ病と適応障害の違いについて②

前回のブログで、当院の『適応障害の参考図書のリスト」のことを書かせていただきました。
そのリストの前書き部分を、ここにあげさせてもらおうと思います。
というのは、まだまだ「うつ病と適応障害の違い」がわからない、というご質問をいただくことが多いからです。
なんとか分かりやすく書いたつもりです。

さらに、今年、ある大学院でやらせていただいた講義のスライドから抜粋して、載せてみます。まずは定義ですね。

このように、あくまでも、環境に対する反応として、うつ状態などになると、この病名がつくわけです。

ただ、この辺りの病気については、なかなか分かりづらいところが多いと思います。
まずは、「新型うつ病」という言葉がありますね、これも皆様を混乱させていると思います。
そもそもその言葉は、マスコミの方が作ったものであり、医学用語ではありません。
それでも実際には下のスライドで出したような方は結構いらっしゃいます。そして、その特徴をみると、『どうも、これまで聞いたことがある、うつ病とは、だいぶ違うみたい』と思う方も多いと思います。

それもそのはずです。
なぜなら、『新型うつ病』はうつ病ではないのですから。
スライドに示したように、『新型うつ病』は、適応障害の一部と考えられています。
そう考えると、うつ病とのニュアンスの違いも合点がいくと思います。
うつ病との見分け方については、例えば東京女子医大の元教授であられる坂元薫先生は、まずはDSMの診断基準を厳密に当てはめてみることを勧められています。
すなわち、「ほとんど一日中、ほとんど毎日」、「抑うつ気分」あるいは「興味、喜びの著しい減退」が最低2週間は続く、ということがあるかを判定する必要があるわけです。
土日は遊びに行けていたり、仕事はやる気が出なくても、楽しくゲームができていたりしたら、それだけで上記の、うつ病の診断基準を満たさないので、うつ病ではないわけですね。

と、ここまでは、まだ比較的わかりやすいと思います。
しかし、実は、典型的なうつ病と、その周辺の病態については、多くの研究者が様々な説を唱え、種々の病名をつけています。
私なりに図にするとザッとこんな具合です。


説明すると長くなってしまうので、また次回とさせていただきますね。
ごく簡単に言うと、「うつ状態」の方の中には、脳の病気である「うつ病」と、心の病気である「適応障害」、そして、その中間くらいにあたる、「脳の病気か心の病気かはわからないけれど、とにかく従来のうつ病とは違う」という一群の方々がいらっしゃる、ということですね。
それぞれの違いとか、治療、対応の違いについては、次回書かせていただこうと思います。