神田橋処方のお話

先日、メンタルな領域で漢方を積極的に取り入れていらっしゃる岡留美子先生の講演を聞いてきました。
すばらしい講演でした。
その中で、いわゆる神田橋処方のお話が出ました。



この処方は、これまで薬物療法が不可能とされてきた、PTSDとかフラッシュバックといった難しい病態に、珍しく効果があると言わている処方です。
著名な精神科医である神田橋條治先生が発見されました。
その処方とは、意外なことに漢方の組み合わせです。
それも、これまではもっぱら胃薬として使われてきた薬(桂枝加芍薬湯)と、冷え性などで使われてきた薬(四物湯)を同時に飲んでいただく、といった処方です。
当院でも、時にこの処方をお出ししますが、お出しした方の中で、飲み続けたいとおっしゃる方も多いです。
漢方は、本当に不思議な薬物で、意外な症状に、意外な漢方が効きます。



ところで、神田橋先生は、そういった、意外な効き方をする薬(サプリなどを含めて)を、精神科医のネットワークでなんとか見つけ出していくべきだと述べられています。
その主なターゲットは、『発達障害』、それも『自閉症スペクトラム障害』と言われているタイプです。
残念ながら、今の医学では、この病気に有効な薬物はないのです。
しかし、神田橋先生は、自らが、それまで治療不可能と言われていた病態に対する処方を見つけられた経験から、他の難治の病態に対する治療法もあるのでは、と考えられているようです。



神田橋先生の期待に応えられるほどの効果があるかは不明ですが、一部の先生の間で、『フェルラ酸』というサプリが注目されています。このサプリは、米ヌカから抽出されたもので、これまでは主に認知症に対する治療に使われてきました。
このサプリを、『同じ脳の疾患だから』という理由で、発達障害に使い始めた先生がおられます。
その先生に直接お話をお聞きすると、自閉症スペクトラム障害の方(この病気の方は不器用であることが多いのですが)が、フェルラ酸を飲むことによって、縄跳びができるようになった、と驚いて語られていました。
そういった劇的な変化が得られる場合は、多くはないのでしょうが、フェルラ酸は、何といっても原材料が米ヌカですから、副作用は少ないでしょう。試してみても良い薬物かもしれません。
このサプリが神田橋先生のお目にかなうかはわかりませんが、当院でも少し興味をもって有効性をみていきたいと思います。
ちなみに、神田橋先生ご自身は、最近は『人参養栄湯』という漢方薬を、発達障害の方に出しているとのことです。
この漢方も、ある程度の効果はあると思われます。
こちらは、健康保険で使えますので、一度試されても良いかもしれませんね

投稿日:2018年3月22日|カテゴリ:ブログ